【読書記録】男性漂流
現代版男はつらいよ?いや、男もつらいよ、かな(まぁ男はつらいよ見たことないんですけどね)
出版が2015年で扱われている事象にちょっとだけ古さがあるものの(こういうテーマは5年も経過するとなんか時代遅れに感じちゃうとこない?イクメンブームとか)扱っているのは社会に求められる(煽られる?)性別的役割や年齢に応じたライフステージに進むことへのプレッシャーに対して苦悩する人という普遍的なテーマであると思う。
女性が社会に出て社会的地位も上がって声を上げ始めたことへのカウンターでもあるのかなぁ
男だってそんないい思いしてばっかりじゃない、当たり前だけど~って
取り上げられているテーマは「結婚」「育児」「介護」「老い」「仕事」
「結婚」では、若いころ自分を相手にしなかった女への復讐のような気持ちで若い女と空虚な付き合いをする40代男性とか、結婚してないと一人前にみられないからといった理由だけで婚活してて上手く行ってないひととか、コミュ力的に恋愛市場、婚活市場で苦戦を迫られ、変わりたいのに変われない人の苦悩とか が紹介される。
この章の〆として、筆者は「異性を愛するということは、まずは己を知ることなのでは」と書いているが、本当にその通りだと思う。
自分が輝ける場所を見つけるとか、自分が何を求めているか自覚すること、自分と向き合うこと、自分を知ること、
それによって相手の内面を知りたいという動機ができ、心の結びつきに繋がっていく。
人を愛するには自分という土壌が必要なんだなと。
凄くモテるのに、いまいち恋人と心を通わせられていないタイプの友達に対して、自分の欲望に向き合ってないことが多い気がすると感じるのは間違いではなかったな・・・?
「育児」
イクメンブームで仕事も育児も積極的に参加して楽しむ!みたいなキラキライメージ・・・の通りに行くわけねぇだろ!って。
だって仕事だって責任あるプロジェクト任されたり出世競争に負けたり色々ストレスあるし時間ないし、専業主夫になったらなったで子供を自分の作品みたいに考えて押し付けまくっちゃったり。
理想の親を演じるのではなく、等身大の一人の人間としての親でええんやで、って話
「介護」
息子が親を介護するって全然もう珍しくないんだねー。嫁が介護する率より高いってのは意外だ
年代的に男だからってケア労働や家事を免除されてきたツケ払い+介護+仕事+弱音を吐きにくいとか男の人にありがちな性格 のコンボで離職や貧困、介護地獄に陥る中年男性たちの話。
ここで指摘されている介護保険制度の問題点って、今はどうなんだろう?
働きながら一人で介護を続けていくのに必要な、食事の準備とかの家事支援は、要介護者に同居者が居る場合(複数だろうが一人だろうが仕事していようが関係なく)訪問介護サービスの生活援助(家事援助)が保険適用外になるそうで。
制度の前提が無業の嫁が介護するってことなんだろうなー。
「老い」「仕事」
えーなんか飽きてきたからもう適当でいいや
過度なアンチエイジングしてないで老いを受け入れて未来をみることも大事だゾ
非正規はしんどいゾ
みたいな感じでした(正直あんまり感銘を受けるとこがなかった)
ちん〇がしっかり勃つとか精力的にセックスができるとかそんな男の人は気にするんだねー女にはわからない・・・
Amazonレビューにもあったけどやや綺麗ごとでオチをつけすぎな所もあるかな?
もうちょっと連絡がつかない時の葛藤とかあっても良かったかも?
でも私はこういう、現実的な幸せの落としどころを見つけるENDはあったかくて好きだなっ思う気持ちもあるんだな
ついでにあんまり面白くなかった本も軽く感想
オタクはみんな知ってる(?)元祖キモオタロリコン犯罪者の取り調べ記録。
事件当時のテレビでセンセーショナルに報じられた異常な犯人像に反して、意外と取り調べの肉声を聞くと普通の(?)犯罪者だよって話、らしい
当時はロリコンビデオマニアだとか、オタクは犯罪者予備軍だーみたいな報道がされて、実際本人の法廷での供述も「ネズミ人間が現れて女の子を襲った」「女の子を殺したのは無くなった祖父を生き返らせるための儀式」とか支離滅裂なせいでその異常性ばかりが強調されていた。
でも、取り調べの音声では嘘をついて自分のやった犯罪をなるべく隠そう、捜査を遅らせようとしたり、成人女性に対する性欲を解消しようとして幼女を代替品として襲っただけ、といったよくある犯人像であったようだ。
ということらしいんだけど、正直事件当時物心つく前だったというのもあり、いまいちピンとこない内容だった…。
いや、幼女を何人も殺害するってそれだけで頭おかしいってだけでは・・・?みたいな気持ち。
これは事件リアタイ組しか楽しくない本じゃないかなー