【読書記録】「学力」の経済学
最近また読書欲が出てきたので、暇のあるうちにどんどん読んで感想を書いていきたいと思います。
今日はこれ。
テレビ等でも紹介されて、かなり売れた本らしいということで読んでみました。
一言で感想を述べると、教育界評論界のDaigo。
キャッチーなテーマ選びと、論文をクソ雑に引用してクソ雑に断言するあたりが正にメンタリスト(笑)Daigoにそっくり。
一応素人のDaigoは百歩譲って仕方ないとしても(ああいう言説を広めるのは悪徳ではあると思うけど!)この著者は研究者なので…ちょっと勘弁してほしい。
自覚的なのかそうでないのかはわからないけど、自覚的だとすれば売るための戦略としては大成功だな…。(それが良いとは全く思わない)
自覚的でないなら研究者としてどうやって生きてきたのか気になります。
具体的なツッコミどころに関しては、Amazonの商品ページの批判的レビュー見れば大体わかります(雑)
売れた本は自分がわざわざ書かなくてももう書いてる人がいっぱい居るのが良いね
私が読んでて特に気になった点
- 自分に教育哲学が無いと言っているのなら政策提言なんてやめたらいかがか。
筆者の中室氏は冒頭で「これといった教育哲学がない」とはっきり書いている。しかし、教育の目標・目的は教育哲学があって決定されるものであり、それが無い人間は「教育で何を目指すべきか」を設定できないのではないか。
中室氏は哲学がないと言いつつも基本的に教育の成果や目標を「いかに稼げる人間になるか」に、無意識に置いているように見えた。
国の方針によって「いかに本人が幸せになるか」だとか「国益にかなう人間になるか」「社会の安定」など様々な目標・目的が設定できるはずなんだよ。その中には、費用対効果(コスパ)が悪くてもやらないといけないことはあると思うんだけど。
そこらへんに自覚的でないせいなのか、研究結果を自分の言いたいことを言いたいがために雑に引用しているようにしか見えない。統計のつまみ食い、統計でウソをつく方法とやってること同じじゃん…。
研究の紹介に終始するとしても作者の無意識拝金主義が透けて見えてあまりに中途半端な立ち位置。紹介するならもっとフラットに、政策提言をするならもっと自分のスタンスをはっきりさせてください。 - 統計的事実は個別事例に適応できないって言ってるでしょ!もう!
2章でエビデンスに基づく子育て、だとか言ってるけどあくまでこれは統計的な話でさー。
政策を考える立場の人は把握しておくべき話かもしれないが(内容に関しては著者の論文の読み方が信用できないので原著にあたるべきだけど)子育てに使えるかと言ったら話は別。だって個別事例だし。ちゃんと自分の子供の性格や普段の様子を見て対応を考えよう - 財務省脳
教育をほぼコスパのみで考えるところとか、いかにもって感じ。
4章の「巨額の財政赤字を抱えている日本~」だとか「国民一人あたりに換算すると全員が800万円の借金を抱えているような状態」だとか「家計にたとえてみると」だとか、MMTの講演1000万回聞いてきてくださいって言いたくなる典型的な財務省Wordに溢れていて頭痛くなります。2015年発行本でこの言説はギルティです。さよならー。
高濱正伸と仲良いってことはガチガチ緊縮財政派なのね。はぁ…。
この対談見ていると・・・・あー…。
中室牧子×竹中平蔵「これからの教育政策にはデータが不可欠」―「HIP Conference vol.3」イベントレポート(2) | 記事 | HIP
経済系新自由主義(ネオリベラリズム、グローバリズム)の極みみたいな連中だった。
中室氏は竹中氏の弟子らしいので、ほぼ思想も同じ系統って思ってよさそうね。
こういう人って、国益や国がどうあるべきって考え一切なくて、ただひたすらグローバリズムが正しい、規制緩和が正しいって方向でさ、国がどうあるべきか論が全くない…ロジカルモンスター。ただ自分の論理を通すことだけ考えてる・・。
あと、成功=稼ぐ・経営者になるってところしかないのね。
いやいや国民全員がそうなれるわけなかろう。
能力があっても無くてもそれなりの生活ができるのが幸せな国ってもんでしょう。
結論が教員免許の規制緩和…はーまたこのパターンか!!またこれで儲ける気だろこのクズ!サイコ!
結局そこかよ。